ヒラノスポーツ鳥栖店（鳥栖スポーツ用品店）

ヒラノスポーツは、昭和25年に基山町の駅前にて紳士用靴店として開業。当時は、特に需要が高く、先々代が博多で靴職人として技術を磨き、開業した事が自店のルーツである。
昭和43年にスポーツ用品の販売を開始し、主にゲートボール・野球用品を取り扱った。当時は、昭和51年に若楠国体を佐賀県で実施された事もあり、県内はスポーツブームが起きていた。中でも、ゲートボールは人気が高く、ゲートボール用のハンマーや、木のボールが売れたという。
その後、昭和52年10月に鳥栖市にてヒラノスポーツ鳥栖店を開店。鳥栖地域は、昔から少年野球が盛んであり、子供たちが使うグローブやバット、スパイク等品揃えを豊富にしている。その他、みやき店も開店しており、鳥栖東部地区を中心に営業を継続している。現在は、上記のスポーツの他、ソフトボール、バレーボール、テニス、バドミントン、サッカー等様々な競技の用品を取り扱っている。

オーナーの平野吉隆氏は、三人兄弟の長男。父が鳥栖高校野球部の監督であった影響もあり、公園では兄弟や近所の友人たちと野球をして遊んだ。「外で遊ぶ事が好きすぎて、家でテレビゲームをする事などには興味がなかったですね。」と振り返る。
小学校3～4年生までは、集中力・決断力・自主性を身に付けるために、地元基山町で少年剣道を習った。5～6年生からは、少年野球に入部した。基山ジャガーズという地元の名門チームで、仲間達と野球に打ち込んだ。東部地区では、常に上位に位置しており、練習も厳しかったが、その分喜びも多かった。
その後、基山中学校に入学。部活動はバレーボール部に入部。当時、バレーボール部はハンドボール部も兼任しており、多種多様な練習に打ち込んだ。ハンドボールは、中体連九州大会に出場した実績がある。
高校では、鳥栖商業高校に入学。野球部に入部し、甲子園出場を目指す野球球児となった。ポジションは、セカンド。「セカンドは、地味で目立ちにくいポジションであるが、ダイヤモンド内のカバーリングが必須で、頭を使う。いかに次のプレーを考えて動けるか等を求められていた。今の社長業にも関わってくる事ですね。」と振り返る。
大学は、九州共立大学に入学。大学、進学後も硬式野球部に所属して、4年間取り組んだ。全日本大学野球選手権大会出場などの実績を持つ。
社会人になってからは、軟式野球、ソフトボール、ゴルフをプレー。ソフトボールは、地元のチームに所属し、約30年間続けている。

国が進める教員の働き方改革により部活動の地域移行が進んでいると現状を語る平野氏。令和5年9月に、基山中学校の野球部が主体となりクラブチーム「基山BBC」が発足し、平野氏は現在、外部指導にも携わっている。自分が経験してきた事を子供たちに教えつつ、社会環境の変化に柔軟に対応ができるように応援している。子供達が必要としているものや市場動向を知るきっかけとなる事もあるので自店の仕入れやお店作りにも繋がっているそうだ。

平野氏は、「お客様との距離が近いからこそ、サービス力が求められる。スタッフ皆は質の高い接客をしてくれており感謝しかない。」と話す。
品物を販売するだけではなく、お客様に信頼・信用し合えるスポーツ店として地域に根ざした経営がコンセプト。スポーツ用品のアフターフォローまで責任を持つようにしており、具体的には、野球のグローブ等の革製品は耐久性が高いため、紐が切れた時や革が破けた時などは、修理する事を提案している。愛着があるものを出来るだけ長く使用してもらう事を心掛けているそう。
在庫は大型店みたいに多くないため、「私たちのような地域店がお客様から求められている事に応えていくが重要だと思っている。」と話してくれた。
「困っている事があれば、まずは何でもご相談ください！出来る限りご要望にお応えしますよ。」と平野氏。

佐賀県が得意な競技は多くあるが、中でもバレーボールに注目している。子供が鳥栖商業高校のバレーボール部に所属している事もあるが、女子バレーの魅力は語り切れない。
特に、成年女子は久光スプリングスの選手たちで構成されており、リベロの西村弥菜美選手を推し。一度は引退した苦労人で、現在は守備職人として、Vリーグ1位のサーブレシーブ成功率を誇る。影で支えるプレーで見どころが多く、守備から一気に試合の流れをつくる所に注目して欲しいと話してくれた。