如水会 今村病院(鳥栖病院)

(医)如水会 今村病院 久保山晴菜氏

今年の日本陸上選手権400mで優勝した久保山氏。鳥栖市で生まれ育ち、現在は同市の(医)如水会 今村病院に所属し、陸上を続けている。
SAGA2024国スポ・全障スポでの活躍が楽しみである久保山氏の素顔に迫る。

走ることが好きだった幼少期

「幼いころから走ることが好きだった。」そう語る久保山氏は、鳥栖市出身で田代中学校、佐賀北高校、福岡大学を経て、現在、今村病院でリハビリテーション助手として勤務している。
運動会では必ずリレー選手に選ばれていた。小学校4年生の頃、地元の陸上教室に通い始めたのがきっかけだ。最初は、週に一回友達に会いに遊びに行く感覚だった。徐々にのめり込んでいき、中学時代は陸上部に所属。中学生まで書道を習っており、佐賀北高校には芸術の方で興味をもった。しかし、中学校で競技をしていくうちに、陸上一本で頑張りたいと決意。佐賀北高校の陸上部には強い女子選手が多く、憧れもあり陸上で佐賀北高校に進んだ。

自分で勝ち取った初の個人タイトル、そして運命の出会い

福岡大学に進んで陸上をしている高校の先輩方が多くいた。自身も福岡大学から推薦を貰い、陸上を続けた。大学4年生最後の日本学生陸上競技対校選手権大会(インカレ)では100mで優勝。個人で初のタイトルを獲った。大学生で競技を終える予定で、そこに合わせて日本一の目標を掲げていた。優勝した瞬間は今でも覚えており、印象に残っているレースだという。「この時の嬉しさがあり陸上を続けてこられた。そして、今に繋がり、今村病院に所属できている。」と振り返る。

大学生で陸上競技を終える予定だった久保山氏は、他社に内定をもらっていたという。そんな時、佐賀県が行っている事業「SAGAスポーツピラミッド構想(通称:SSP構想)」が始まり、SSP構想のジョブサポ事業(※)で今村病院からお誘いがかかった。大学4年生の時、全日本インカレで優勝したが、国体では実業団選手に負けて2位、リレーは9位で準決勝落ち。お世話になった先生方にも全力で恩返しできず悔しい思いもした。その恩返しがまたできればと、陸上を続けることを決意した。
就職予定であった会社とは全く異なる業種に就職することになった。今村病院から話があった時、業務内容など全く決まっていなかった。しかし、競技を一番に考えてもらっているので業務に関しても不安は無く、暖かく迎えてくださった。「大学4年生の時の嬉しさや悔しい経験が今にも繋がっている。1年でもずれていたら陸上競技を終えていたかもしれない。SSP構想の方、受け入れてくださった今村病院にはすごく感謝しています!」と語った。


※佐賀県庁が、スポーツ選手・指導者が佐賀県内の企業へ就職し、競技・指導を続けるため、企業とスポーツ選手・指導者をマッチングする事業です。
スポーツ選手・指導者が仕事と競技・指導活動を両立し、佐賀県で安心して競技に取り組み、全国・世界大会等で活躍していただき、選手引退後も社員として、スポーツ指導者として、企業や地域に貢献できるように就職のお手伝いをしています。 「SSP構想HP」参照

社会人3年目の壁、400m転向のきっかけ

高校2年生の途中まで、100m、200mを専門としていた。しかし、高校2年生の時に怪我してしまったのだ。復帰するにあたり、いきなりスピードを重視するよりも徐々にあげるつもりで400mへ。高校3年生の時、総体では200、400mに出場した。
大学では勝負したく100、200mを専門としていた。しかし、社会人になってから伸び悩む時期があった。効率の良い走りができていない。その中で、楽に進める効率的な走りを求め社会人3年目から400mへ転向。100mは距離が短いのでごまかせるが、400mはしっかりとしたフォームでないと体力がもたない。コーチから「足が速いことに関しては100mでも400mでも変わらない。走りのサイクルをしっかりしておけばどの距離でも走れる。」距離によって走りを変えない、効率の良い走りを意識しているという。

「100mは11秒ちょっとで終わってしまい力勝負なところがある。それに比べて400mはレース展開がある。スピートだけではダメで持久力が必要。仕掛けるタイミングなど様々なレース展開を作れる。色々な戦い方があり面白い。」と400mの魅力を語ってくれた。

社会人になり400mを始めた当初、とにかく全力疾走、出たとこ勝負であった。練習を重ねるうちに、「こんなレースがしたい」と色んなレースパターンを考えるようになった。自分のベストがどういうレースだったら出せるかが分かり、戦い方が分かるようになった。何となく出来て走れたのではなく、ちゃんと考え抜いて出た結果。練習の中でもコントロールできるようになったという。「記録も安定してきており、この走りをすれば勝てるという自信が、練習をした分だけ付いてきた。」と語った。

陸上以外での刺激を感じられるリハビリという仕事

自分の目標に対して逆算して足りないものを練習で補う。リハビリのセラピストの皆さんも患者さんの体の状態を良くする為、様々な手法でアプローチ、リハビリの仕方、色んな資料をみて勉強し、話をされている姿を見た。スポーツだけではなく、各業種の中でも目標を立ててそこに向かいコツコツとやって振り返り、課題が出て取り組んでというサイクルは一緒で。そういったところで刺激を貰っている。患者さんに対しての接し方に関しても、沢山の応援を貰っているおり、応援される人というところでは、対応の仕方もすごく勉強になっているという。

SAGA2024国スポ・全障スポに向けて

2022年の国体では個人3位、リレーでは県記録更新で初の4位入賞した。今年9月の全日本実業団では400m1位、200m4位入賞。10月の鹿児島国体では成年300mは予選1位通過したものの決勝では4位、4×100mリレーは6位入賞という結果だった。
いつも大学生と練習をしているが、国体では県内の高校生と接することが多くなるので、高校生と陸上の色んな話をして、県内の競技力向上に努めたい。
SAGA2024では今年同様、個人種目とリレーの男女混合4×400mに出場する予定。自分の強みを発揮できる種目である。「リレーでの入賞は県としても盛り上がるので、しっかり佐賀県を引っ張っていけるよう頑張りたい。SSP構想のトップアスリートとして、結果を残す責任もある。個人種目で優勝、リレーでも入賞と貢献できるように頑張りたい。」と意気込みを語ってくれた。

久保山晴菜さんのスキ!

久保山晴菜さん

久保山晴菜さん

  • Q.鳥栖の行きつけのお店・スポット

    学生時代(中学時代)に弥生が丘にある東公園まで自転車で行きよく走っていた。行くと今でも当時を思い出し緊張します(苦笑)。

  • Q.休日の過ごし方

    近くに姉が住んでいるので、姪っ子と遊ぶことが、“気分転換”と“癒し”になっている。

  • Q.今携わるスポーツ以外で続けているスポーツなど

    陸上一筋でやってきた。スポーツ以外では、小学校1,2年生から中学生まで書道をしていた。県や市の特選を取ったこともある。
    毛筆が好きで、好きな言葉や歌の歌詞を自由に書くことも。陸上はタイムにこだわり、集中して神経質になる。その反面、芸術は時間に追われず自由で気分転換できるのが良い所。

  • Q.趣味、集めているもの

    趣味がないんですよね(笑)
    スポーツ用品や着用品は、基本ミズノで揃えています。

☆基本情報

事業所名 如水会 今村病院(鳥栖病院)